2020-02-07

#3 デベロッパーとHITOTOWA

顧客とは単純な価値交換の関係を超えていたい

「HITOTOWAの事業はどうやって成り立っているのか?」創業当時から最近まで、本当によく聞かれる質問です。

私たちが価値として提供しているものは、かつては行政や街に暮らす人々の善意によって、自然と与えられてきたものだといえるからかもしれません。

ただ私は、現代の街にはコミュニティを見守り、街のためになる行動を促進する「プロフェッショナル」が必要だと考えています。そしてその一翼を担うのがHITOTOWAでありたい、そう思っています。

現在では、デベロッパーからお仕事をいただくケースがもっとも多いです。また近年はJリーグのような公益財団法人、加えて厚生労働省や基礎自治体といった行政からの受注も増えています。

さまざまな組織から依頼をいただきますが、私たちはいつも、顧客のみなさまと同じ目標に向かって歩んでゆく協働パートナーでありたいと考えています。それは「業務に対して対価を支払う/受けとる」という、単純な価値交換の関係ではありません。

「よい街をつくる」、「暮らしの課題を解決する」という共通の目標を掲げ、ともにその達成を目指してゆく共創型の関係。それが私たちの考える協働パートナーです。

街のあるべき姿、目指すべきものから考える

プロジェクトのはじまり方についても少しご紹介しましょう。

ネイバーフッドデザイン事業を例にとると、まず顧客となるデベロッパーからさまざまな形でご相談をいただきます。

「マンションのコミュニティをつくってほしい」、「エリアマネジメントの企画を立ててほしい」などなど。

実際はもっと抽象的で、「なんとなくソフト面も大事だと思っているけれど何をしたらよいのかわからない」とか、もっと複雑で、「多様なステークホルダーの調整のもと地域にもメリットがある形をつくりたいけれどなかなかむずかしい」といった、ゴールや論点探しからの相談が多いです。

コミュニティという言葉に馴染みは出てきても、実際にそれをつくる価値や手法はわかりづらい面があります。そのためまずは状況の確認をしつつ、とにもかくにも「あるべき姿や目指すべきもの」を設定することからスタートします。

顧客であるデベロッパーの立場をふまえ、それと同等もしくはそれ以上に、地域・住民・主要なステークホルダーのさまざまな事情をくみとったゴール設定をしていく。それがHITOTOWAの仕事です。

コミュニティやエリアマネジメントは目的でも言い訳でもない

ところで、デベロッパーがこの時代に創造すべきものは何でしょうか? 少子高齢化、建物余りの時代において、デベロッパーの使命を再定義すべきことは誰もが強く感じていることです。

ではコミュニティやエリアマネジメントが創造すべき「ゴール」かというと、私たちはそうは考えていません。それらもあくまで、よりよい「生活」や「暮らし」のために取り組むべきものです。

一方で、コミュニティやエリアマネジメントが、目的の曖昧な開発の言い訳であってもなりません。深い検討がなく先に空間的なハード面が決まり、とってつけたようにコミュニティやエリアマネジメントが語られては、本来の意味を成しません。

創造したい「生活」や「暮らし」があって初めて、開発もコミュニティも成り立つものです。

つまり、この時代にデベロッパーが創造すべきもの、そして継承すべきものは、自然風土を含めた住文化・生活文化です。なかでも私たちHITOTOWAは、「助け合い」の住文化・生活文化を作っていきたいと考えています。

私がネイバーフッドデザインをはじめたのは、前職であるデベロッパー時代の2007年からです。当時からデベロッパーであることに誇りを持ち、社会的な価値を追求できる可能性を感じていました。

現在は協働パートナーという立ち位置に変わりましたが、その思いは変わりません。これからも「街をよりよくしたい」という共通の目標のもと、共創を果たしていきたいと思います。

(荒 昌史)

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HITOTOWA

人と和のために仕事をし、企業や市民とともに、都市の社会環境問題を解決します。 街の活性化も、地域の共助も、心地よく学び合える人と人のつながりから。つくりたいのは、会いたい人がいて、寄りたい場所がある街。そのための企画と仕組みづくり、伴走支援をしています。

http://hitotowa.jp/

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