2021-06-15

#22 防災に対してスポーツが果たせる役割

サッカーで、備蓄品を覚える?!

「サッカーをしながら楽しく防災も学べた」
「防災のこともサッカーを通すと子どもの記憶に残るので、そこから話を深められる」
「体を動かしながらできるので、子どもも飽きずにできた」

これは、HITOTOWAのオリジナルプログラム、サッカー防災®「ディフェンス・アクション」に参加してくれた小学生や、その保護者の方の声です。

ディフェンス・アクションとは、サッカーを通じて楽しく防災を学べるワークショップのこと。

たとえば「パス・ストック」というプログラムは、備蓄品リストを制限時間内にできるだけ多く覚え、サッカーのパスをしながらひとつずつ備蓄品を言い合い、多く言えたほうが勝ちというもの。ゲーム性をもたせることで子どもたちも楽しく、かつ真剣になります。

なかには開催後、

「子どもから自宅の備蓄品について聞かれた。備えが足りていなかったので、家に帰ってすぐに準備したい」

という方も。具体的な防災アクションにつながる声を多く耳にしています。

防災意識の向上や防災への取り組みがなかなか進まないと言われてひさしいですが、防災を伝えるアプローチを工夫することで、可能性は広がっていく。そう実感しています。

「災害は起こる」が6割以上、でも「備えている」は4割以下。

申し遅れました。HITOTOWAで、スポーツを通じた社会課題解決を目指す「ソーシャルフットボール事業」の責任者を務めている、津村翔士です。

HITOTOWAでは、2016年からさまざまな機会をいただき、各地でサッカー防災®「ディフェンス・アクション」を実施・展開してきました。

「なぜ、サッカーと防災?」と思われた方もいらっしゃると思います。私も最初はそう思いました(笑)。私なりの回答は追ってお伝えするとして、まずは防災の課題について、皆さんに知っていただきたいと思います。

これは内閣府が2016年にとったアンケート調査です。大規模災害が発生する可能性について聞いた設問ですが、6割以上の方が「大規模災害発生の可能性は高い」と回答しています。一方で、災害への備えに取り組めている人は4割足らず。災害が発生する可能性は高いと自覚していても、なかなか手がつけられないのが防災です。

【出典】内閣府:日常生活における防災に関する意識や活動についての調査結果(2016年)より抜粋

年代別で見てみると、年代が若くなるにつれて、災害の備えに対する重要度・意識が低下することもわかっています。


【出典】内閣府:日常生活における防災に関する意識や活動についての調査結果(2016年)より抜粋

そして、現時点で防災に取り組んでいない理由を見てみると、「時間がない」「費用がかかる」という回答の他に、「機会がない」「情報がない」「身近な問題ではない」「特に理由はない」という理由が続き、あわせると6割近くにのぼります。

【出典】内閣府:日常生活における防災に関する意識や活動についての調査結果(2016年)より抜粋

裏を返せば、機会をつくったり、情報の届け方を変えたり、身近な問題だと思えるようにしたりすることで、防災に実際に取り組む人を増やしていけるんじゃないかと。「ディフェンス・アクション」によって、少なくともサッカーに興味がある人には防災を伝えていくことができる。防災を知る・学ぶ・届ける機会をつくりだせる。

防災に手がつけられていない人が多い現状に対して、「ディフェンス・アクション」という新しいアプローチを施し、多くの人たちの背中を押していきたいと考えています。

「防災なんて興味がなかった」自分だからこそ。

……と偉そうに語ってはいますが、私自身、HITOTOWAに入るまでは防災についてまったく興味がありませんでした。正直、備えもしていませんでした。小学生のころに阪神・淡路大震災で被災したにもかかわらず、です。

めんどくさいし、自分はきっと大丈夫。そんな根拠のない自信や期待を持っていたのです。だから、被災していても防災に取り組まない人の気持ちもわかります。

そんな私にも転機がありました。HITOTOWAに入社し、東日本大震災の被災地に訪問したときのことです。


2017年9月 岩手県陸前高田市にて

被災された方のお話や無念の思い、6年以上経ったにもかかわらず残る震災の傷跡、そして、災害に負けずに奮闘している姿。それらを目の当たりにしたとき、自然と私の中で、防災に対する意識の変化が起こりました。

「災害自体は、備えていても防げない。でも、備えていることで防げる不幸がある」

仕事として取り組んでいる防災に、ライフワーク的な要素が加わった瞬間でした。

「防災ってめんどくさい」と思っていた自分だからこそ、伝えられる「防災」があるんじゃないか。そんな気持ちから、より一層「ディフェンス・アクション」を多くの方々に知ってほしい、届けたいと思うようになりました。

今まで携わってくれた人たちのおかげもあり、「ディフェンス・アクション」は順調に拡大し、首都圏のみならず、愛知県や関西エリア、九州にも広がっています。防災に取り組むきっかけを届けることで、少しでも災害に強い人々、まちを育んでいきたい。私たちの事業の背景には、そんな想いもあることが伝われば嬉しいです。

さて、次回は防災のみならず、広くまちや社会の課題解決に向けて、スポーツを通して取り組んでいることについてお話してみたいと思います。

(HITOTOWA INC. 津村翔士)

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人と和のために仕事をし、企業や市民とともに、都市の社会環境問題を解決します。 街の活性化も、地域の共助も、心地よく学び合える人と人のつながりから。つくりたいのは、会いたい人がいて、寄りたい場所がある街。そのための企画と仕組みづくり、伴走支援をしています。

http://hitotowa.jp/

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