2023-05-21
2023-05-21
HITOTOWAでは、早稲田大学社会的養育研究所の協力を得て、2023年1月と3月に、SHINTO CITY(さいたま市大宮区・総戸数1,411戸・15階建)で「おやこ支援プログラム」を初めて実施しました。
SHINTO CITYでは、“普段は楽しく、有事の際には助け合える“良好なコミュニティの形成に取り組んでおり、HITOTOWAが全体コーディネートを行っています。
「おやこ支援プログラム」とは、子どもとの良いかかかわり方を学ぶことができるプログラムです。
「子どものどんな行動に注目すべき?」「どう褒めると良い?」「避けた方がいい声かけって?」など、日常生活の中での子どもとの接し方を考えるために、一度は学んでおくことがおすすめです。
同研究所では、エビデンスのある複数のプログラムの活用促進を行っており、今回は、対象者を踏まえて、Triple PとCAREという2つのプログラムを実施いただきました。
【Triple P(トリプル ピー)】
前向き子育てプログラムとも呼ばれ、子どもの発達を促しつつ、親子のコミュニケーション、子どもの困った行動への対処など、それぞれの親子の課題に合わせた方法に変えていくための考え方や具体的な子育てスキルを学べます。
【CARE(ケア)】
子どもとの絆を深め、あたたかい関係を築く際に大切なコミュニケ―ションのスキルを大人が具体的に、かつ楽しく学べるように工夫されたプログラムです。
HITOTOWAが実施した過去の調査では、新しいマンションに入居した子育て世帯は、「地域の知り合いや子育てを頼れる人が少ない」「子育てで孤独を感じている」「子育てにあまり自信がなく不安を感じている」割合が多い傾向にあることが明らかになっています※。
子育て世帯の中には、自分の育ったまちでの子育てでない方や、子どもの祖父母が遠方に住む人も一定数おり、新しいまちで不安で孤立した子育てになりやすい状況に置かれています。
入居後に、子育て世帯同士の交流の機会づくり等を行ったあとの調査では、友人・知人ができた方が多くいることが分かりましたが、つながりづくりだけでは、子育ての自信のなさや不安感は、あまり改善されていないことも推察される結果でした。
そこで、子育てに自信を持ち、より楽しく前向きに子育てをするためには、つながりづくりに加えて、子どもとのかかわり方を体系的、具体的に学ぶことが有効だと考えられます。
今回参加してくださった20〜40代の男女(保護者)の声を一部抜粋してご紹介します。
・子育てのテクニック論ではなく、根本的な考え方から学ぶことができた。
・自分のやり方が正しいのか自信が持てなかったが、自分を認めることができた。夫婦で参加すると良い。
・すべての時間が興味深く心に残った。子どもとの会話を楽しもうと思う。
・新しい知見を得ることができた。他の親と交流できて楽しかった。
・自分がやってきたことであっていたことも多く、自信につながった。グループワークでいろいろな意見が聞けて楽しかった。
おやこ支援プログラムは、子育て支援施設や自治体で実施されていることがありますが、マンションや自治会、地域など身近な場所で実施できると良い理由があります。
①一緒に学ぶことで近所に子育ての仲間も作れる
隣近所とのつながりが希薄な場合や転居直後は、「孤立した子育て」になりやすい状況ですが、一緒に学ぶことで、子育ての悩みを共有したり情報交換したりできる仲間づくりのきっかけになります。
②マンション共用部や近隣で実施できると気軽に参加しやすい
身近な場所であれば参加しやすく、移動負担も軽減されます。特に小さい子どもがいる場合や悪天候の場合でも、気軽に参加できます。
③地域で良い子育てをする風土ができる
多くの大人が子どもとの良いかかわり方を身につけることで、地域で協力して子どもを育む風土が醸成されることが考えられます。
HITOTOWAでは、より多くの方が子育てを楽しめるよう、今後も早稲田大学社会的養育研究所の効果検証に協力しながら、「おやこ支援プログラム」を地域に広めていきたいと考えています。
まちづくりにかかわる方々や子育て支援の取組みを検討されている皆さま、ご関心ありましたらぜひ導入をご検討ください。
HITOTOWAの声