2017-10-15

野人だって準備してる(前編)|COLO CUP vol.11

みなさん、こんにちは!

2017年9月30日に豊洲のMIFA Football Parkにて開催された、

COLO CUP vol.11の様子についてお届けいたします。

日本をW杯初出場に導いたあの伝説の野人もディフェンス・アクションに初挑戦です!

「デフサッカー」とは、ろう者・聴覚障がい者によるサッカーのことで、

一般的なサッカーとの違いは1つだけ、“音のない世界でプレイする”ということです。

試合はアグレッシブで激しく、一般的なサッカーとの違いは何もありません。

 

一方、防災面において、聴覚障がい者の方は「要配慮者」にあたります。

耳が聞こえない、目が見えない、あるいは小さな子どもやお年寄り、妊娠している方、外国人など災害時に周囲の配慮と支援が必要な方のことを「要配慮者」と呼びます。

東日本大震災では、健常者に比べると障がいのある方はおよそ2倍の確率で亡くなった方が多かったそうです。

なかでも聴覚障がいの方々は、見た目でわかりづらい障がいであり、

災害警報が聞こえないため自分の身を守ること・周囲の人と助け合い災害から逃れることが非常に困難とされています。

もし災害が起きた時、身近に聴覚障がい者の方がいたら、何をすればいいのか?

どんなことを伝えればいいのか?

COLO CUP vol.11では、“音のない世界”でのコミュニケーションの楽しさ、難しさを

体感することで、“共助”の大切さに気付いていただきたいという想いで開催されました。

まずはCOLO CUP vol.11の流れをご紹介します。

13:00

開会式

ファースト・アクション(自己紹介・準備体操 × 防災アクション)

13:30

ゲストトレーニング①(元女子サッカー日本代表 永里 亜紗乃さん)

14:15

ディフェンス・アクション①&②

15:00

ゲストトレーニング②(元サッカー日本代表 岡野 雅行さん)

15:30

ディフェンス・アクション③

16:00

閉会式

ゲストとのコミュニケーションタイム・写真撮影

レベル別フットサル交流試合

17:30

懇親会(ゲストによるクイズ大会)

◯ディフェンス・アクションとは?

楽しくサッカー・フットサルをしながら、防災減災のために備えておくべき知識や行動について体験し、学べるワークショップです。

今回も一流ゲストと一緒に行うトレーニングやフットサルの試合など、ディフェンス・アクション以外にも盛りだくさんの内容でお送りしました。さっそく当日の様子をレポートします!

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そうそうたる顔ぶれが揃い、開会式スタートです!この豪華なゲストの皆様をご紹介させていただきます。(左から)

まず皆さんご存知の“野人”こと岡野雅行(おかのまさゆき)さんです!
現役時代は100M10.8秒台の実績をもち、その脚力で日本を初のW杯出場へと導きました。

浦和レッズの現役時代、6万人(!)の観衆中でサッカーをプレイしていたそうで、仲間の声が届きづらいなか、常に周りを見ながらのサッカーを心がけていたそうです。「今日は少しでも手話を覚えて帰りたい」と岡野さん。ワクワクしてくださっています♪

お隣の女性は、永里亜紗乃(ながさと・あさの)さんです!

2005年AFC U-17女子選手権では得点王に、さらに2015年FIFA女子W杯で史上初の姉妹同時出場を果たしています。サッカーやフットサルで一番楽しいことは「色々な人に出会えること」と話す永里さん。ワークショップでは、永里さんのパワフルさが炸裂します・・・!

そのお隣のイケメン、泉洋史(いずみ・ひろし)さんは、

2014年に「バルドラール浦安デフィオ」(デフ+健聴者チーム)を立ち上げ、選手兼監督を務められています。「コミュニケーションの大切さや楽しさを災害時の行動とともにみなさんと考えていきたい」と泉さん。

そしてお揃いの水色ユニフォームの皆様と黒いユニフォームを身につけているのは、ろう者サッカー日本代表の方々とコーチを務める植松さんです。

なんて豪華なゲスト達なんでしょう…。

そしてデフ(聴覚障がい者)の方と一丸となってサッカーをするために、手話などのコミュ二ケーション方法をいくつかご紹介しました。

*司会が話をはじめたら合図などして教えてあげる

「集まってください!」と司会が声をかけても気づけないことがあります。そんなとき「あっちだよ!」と肩を叩いて、みんなで集合したり話しを聞くようにします。

*3つの手話を覚えて、実践してみる

皆さんがとても良く使うことになるであろう「拍手!」と「がんばれ〜!」と「お疲れ様!」の3つの手話を覚えていただき、実践の中で活用しました。

拍手〜!のやり方をみんなで学びます

がんばれ〜!の手話をやる泉さん

デフの方も健聴者の方も関係なくチームが組まれていますが、たとえ手話を知らなくても、皆さん巧みなジェスチャー使いですっかり打ちとけていました^^

チームごとに自己紹介タイム

普段のジェチャーでも分かり合えます

 

さあ、最初のコンテンツはウォーミングアップを兼ねた「ファースト・アクション」です!ここでは防災が起きてすぐにやるべき「初期行動」について、体を動かしながら学びます。コート半分をランニングしながら、スタッフがあげたカードの種類に応じてアクションをします。

例えば、『火災』なら鼻と口を覆ってコートの外へ、『津波』なら反対側のコートへダッシュ、などなど・・・また、カードに数字が書かれていたら、その人数で手を繋いで座ります。

遅れると、ちょっと恥ずかしい罰ゲームが待っているので・・・

「あと1人!」「こっちもあと1人きて!」

皆さん自分のチームに人を呼び込もうと必死!ぐっと心の距離が縮まります。

人を探して野人も必死に叫びます

最後のチームは…シコを踏む罰ゲームが!

 

身体も心もあったまり準備万端になったところで、ゲストによるサッカートレーニングがはじまります〜!よっ!今回は永里さん、岡野さんにトレーニングをしていただきました!

★永里さんによるパストレーニング

サッカーというチーム競技で「パス」はとても大切な技の1つです。

広いコートの中で相手に「ボールがほしい!」ということを全身でアピールをしながら、ボールをつないでいくことを練習しました。

まずは、ボールを相手に向かって手でなげる練習からはじめます。

「チームの人を褒めている人もいます!いいですね〜!」と声をかける永里さん。

次第にみんなの声も大きくなり、「こっちに頂戴〜!」と心と身体で伝え合っていました。

次にキックでパスする練習に。

渡す人も気持ちをこめて!もらう方も欲しい気持ちをこめて!パスします。

「それじゃあドイツ人からパスをもらえませんよ〜!」と喝が入ります。

さすが、世界で活躍した永里さん。言葉がなくても表現できることはたくさんあります。

ここですごかったのが泉さん。指で目をカッと見開いてアピール(写真でお伝えできず残念…)

そして参加者全員で、チームもボールもごちゃまぜでパス練習。

たくさんの人とボールが混ざり合う中でいかに自分にパスをもらうか?の最終試練です。

「野人がフリーだぞ!」の声に振り返ると、ボールが手にはいらない岡野さん。笑

ボールが5、6個ある状態でも、みなさん見事なボールさばきをしていました♫

参加者全員×複数ボールでパスの練習

メガホン倒せるかな?みんなで協力しました!

 

そして最後はチーム対抗で、キックでメガホンを倒すゲーム!

目を見て、ジェスチャーで、声で。みなさんの距離が縮まったトレーニングでしたね。

 

まずは「みなさん、お手本みたいですか!?」と岡野さんの声かけに湧き上がる拍手。華麗なるボールさばきに、「さすが、野人!」「さすが、元日本代表!」というプレーでした。

コーンにさえ当たらなければ足のどこを使ってもいいとのこと。

サッカー未経験の方もうまく両足を使ってボールを前へと運んでいきます。

「さすが現役選手!」と岡野さん、デフサッカー日本代表選手の速さときたら・・・。

 

次にチーム対抗でドリブルの速さを競います。

「最下位のチームには罰ゲームがありますよ!」と脅しをかけた岡野さんですが・・・

まさかの岡野さんチームが最下位に!

「罰ゲームどうしよう・・・えーと・・」と悩んだ末の、『サンシャイン池崎』のモノマネ。巻き込まれ事故(!)にあったチームのみなさまとこのポーズでパシャリ。

・・・さて気を取り直し、サッカーといえば!ということでシュートの練習です。

今回も岡野さんのお手本付き。なんとキーパーはデフサッカー女子日本代表選手!!

男性相手でもなんのその、気迫十分で岡野さんのボールを受け止めます。

このあとは、時間内に何本ゴールしたかを競うゲームを行いました。

シュート練習はみなさん真剣そのもの。「集中しすぎて会話もなかったですね〜笑」と岡野さん。

サッカーの基本技術だけでなく心の持ちようをプロから教わることで、みなさんますますサッカーが好きになってくださったのではないでしょうか^^

それでは、後編はいよいよ「ディフェンス・アクション」についてお送りします〜!

後編は、こちらからご覧ください!

 

 

 

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“social football COLO”はサッカー、フットサルといったフットボールを通じた社会貢献を行うために結成されました。 世界で最も競技人口が多く、最も愛されているスポーツのひとつであるフットボール。その魅力を活かし、復興支援とこれからの防災減災に取り組むことにしました。想いを込めて応援する、そして、その先の感動をともに。

http://colojapan.asia

“social football COLO”はサッカー、フットサルといったフットボールを通じた社会貢献を行うために結成されました。 世界で最も競技人口が多く、最も愛されているスポーツのひとつであるフットボール。その魅力を活かし、復興支援とこれからの防災減災に取り組むことにしました。想いを込めて応援する、そして、その先の感動をともに。

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