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2018.01.16 / social football SESSION -アスリート的キャリア論 なでしこと生き方を語る- 後編

2018-02-18

「social football SESSION」の後半レポートをお届けします!
(前編はこちらからご覧頂けます。)

後編は永里さん・漆さんによるトークセッションを通じて、さらに「女性のキャリア」について考えを深めていきます。

ファシリテーターを務めるのは運営スタッフの西郷民紗です。
育休復帰と同時に東京大学大学院総合文化研究科に入学。仕事、子育て、学問を両立し、日本で数少ない評価士という資格も取得しています。

最初は「お二人が目指すものに到達するまでにどんな苦難があったか、またそれを乗り越えるために何をどう変えましたか?」という質問です。

永里さんが一番苦労されたことは、「人を動かすこと」だったそうです。
会社を立ち上げることで、社会との関わりを持ちたい、実際に会社がどうなっているのか知りたいという気持ちがあった永里さん。
サッカーというフィールドを飛び出して、やりたいことを形にすること、人に頼ることを学びながら周囲の人を巻き込む力をつけていったそうです。

「ここから先サッカーができる期間は限られているので、今後のことを今のうちから考えておくとスムーズだと思ったし、他の女子サッカー選手にロールモデルの1つを見せることができると思った」

女子サッカー業界を見据えての大きなご決断だったのですね。

「決断するまではもちろん悩んだけれど、決めてしまったら不安はなかった。むしろ不安どころの騒ぎではなくて、取り組むか、死ぬかという感じだった」と話す漆さん。

永里さんと同じく、最も大変だったのが「人を動かす」こと。
他校から品川女子学院を見ていた漆さんが持っていた危機感と、
実際に勤めている方々の危機感に、最初は温度差を感じていたと言います。

学院のために自分は頑張れる。でも1人で学校はできない。
みんなで作るものであるからこそ、みんなで一緒にやるということはとても大変だったそうです。

漆さんは危機に直面された際に、「何を守るか?」を最初に考えるそうです。
大切なものを常に見失わないための心構えがあるのだと感じられました。

「20歳くらいまでは悲観的だった」と話すのは永里さん。
苦しいことは苦しいこと、辛いことは辛いことにしか感じられなかったと言います。

しかし、その後は苦しいことが楽しいことになっていったそうです。
自ら進んで楽しいと思えることは辛い時も楽しく感じることができて、エネルギーが2倍になる。嬉しさ楽しさだけではなく、苦しさは挑むエネルギーになると言います。

ただ辛いことを受け入れるだけではなく、辛いことには期間を決めることも重要だそうです。
そして新たなことを頑張る時は、環境を変えるというのが永里さんのセオリーです。

次に「日本人としての強みを生かして世界で活躍できる日本人女性になるために
必要な”心技体”」について、おふたりにうかがいました。

漆さんは”心”について、「これから世界で羽ばたくために大切なのは共感する力、それが日本文化にはある」と考えているそうです。すれ違ったら会釈する人、道を譲るという人は、世界から見て日本にはたくさんいらっしゃいますよね。とても素敵な文化です。
品川女子学院でも、世界を視野に能動的な人生をつくる日本人女性を育てることをミッションとされており、茶道や礼法などを全員必修で学んでいるそうです。

また、専門性の高い人は人生の中で色々選択肢があるからこそ、自分の得意技を早めに身につけることが大切と考えておられます。品川女子学院では、28歳になった時に社会で活躍する女性を育てる「28プロジェクト」も推進しておられます。早くから社会と接点を持ち、大人になるころには社会に還元できる”技”を持っているということはとても大切なことなのだと気付かされます。

最後に、”体”について、自分の身体の声を聞くことは大切だと語る漆さん。
ご自身も多忙を極めたため難聴やぎっくり腰になられたご経験もあるそうです。
女性は40歳からさまざまな身体の変化が起きてくると言い、忙しい中でもそういった変化に耳を傾けてあげる時間が必要なのかもしれません。

「16歳から世界と戦い、8年間海外を拠点にしていて思ったのは、日本人は人の視点に立って考えられる能力が高いこと」と永里さん。
その日本人の強みは世界に発信して行くべき、そうすれば世界はもっと仲良くなれると強く語ってくださいました。

また「日本語は繊細な表現が多くて、それくらい感情を読み取れる」という”技”を持っていると考える永里さん。空気をしっかりと読んで行動に移すことができる国民性とコミュニケーションの”技”で日本人はもっと活躍できると勇気付けてくださいました。

一方で「まともに海外の人とやりあったら勝てない」と”体”の面では厳しさを感じているそうです。そこで活路を見出したのは意外にも合気道だったそう。
相手を無力化して自分のエネルギーに変換する合気道の精神は、サッカーで世界と戦う時にも有効でした。海外の選手が力任せにアタックしてくる時こそ、それを無力化して自分のエネルギーにできることで、世界と戦える力を身につけたそうです。

最後に、第一線で活躍しつづけるおふたりにモチベーションを維持し続けるためにしていることをお聞きしましたのですが、意外な答えがかえってきました。

「モチベーションは高くない」と漆さん。意外ですよね。

漆さんが行動する理由は「責任感」にあると語ります。
学校に通っている生徒たちのためを思うから様々な取り組みができるとのこと。
日々生徒さんとする何気ない会話もモチベーションに繋がるそうです。

また、トライアスロンも漆さんのモチベーションに関わるものだそうです。
スポーツに取り組むことでモチベーションが上がり、そのモチベーションを仕事にも活かすことができると言います。そもそもトライアスロンは過酷なスポーツですから、体が悩んでいる場合じゃないと危機を覚えるほどだそう・・・。

そのほかにも経営者仲間や友人に支えらえれていること、
いつか死ぬと思って、いつまでもこの苦しさが続くわけじゃないと思ってホッとすること(!)も日々を乗り越える力になるそうです。

同じく永里さんも、「モチベーション維持しようと思っていない」と語ります。
「人間だから気分の浮き沈みはあるもの。その状態を受けて入れて行動することが大事」と考えていらっしゃるそうです。

そんな中でも、浮き沈みをあまり激しくさせないように「起きるのが楽しみで寝るのが惜しい生活になるように」心がけているとのこと。
自分はそんな生活を送れているだろうか。ハッとさせられる一言です。

お二人とのトークセッションの時間もあっという間にすぎ、イベントも終盤に。
これまでたくさんのヒントを得てきたみなさん同士で感想を共有していただきました。

さらに、参加者同士も交流することで新たな出会いや発見をしていただくために、
色鮮やかなケータリングを楽しみながらの懇親タイムをご用意しました。

みなさま、今回のsocial football SESSIONはいかがでしたでしょうか?
”女性のキャリア”に正解はありません。きたる人生100年時代に向けて、
どんな自分らしい日々を送りたいか、答えはあなたの中にあるはずです!

ぜひ、次回の開催もお楽しみにお待ちください。

social football COLOのイベントなどの情報は、プロジェクトページよりご覧ください。
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“social football COLO”はサッカー、フットサルといったフットボールを通じた社会貢献を行うために結成されました。 世界で最も競技人口が多く、最も愛されているスポーツのひとつであるフットボール。その魅力を活かし、復興支援とこれからの防災減災に取り組むことにしました。想いを込めて応援する、そして、その先の感動をともに。

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