2024-11-28
2024-11-28
この度、当社の西郷民紗が監訳した『公的ケアからの養子縁組』(Adoption from Care: International Perspectives on Children s Rights, Family Preservation and State Intervention)が明石書店から出版されることとなりました。本書は、児童保護に関する国際比較研究を行ってきた著名な研究者らが、各国における子どもの福祉のための養子縁組を検討した貴重な一冊です。対象は、欧米9カ国(イングランド、エストニア、アイルランド、米国、オーストリア、フィンランド、ドイツ、ノルウェー、スペイン)の国内養子縁組です。
本書は、各国の研究者らによって、公的ケアからの養子縁組のこれまでとこれからを、データも用いて丹念に概説されている点が特徴です。ひとり親への支援が乏しく、社会的な偏見が強かった時代から現在に至るまでの変遷、長期の代替養育の可能性がある子どもたちの選択肢としての養子縁組の位置づけ、現状の政策・実践と将来的な見通しを知ることができます。
冒頭では、養子縁組の世界的動向や子どもの権利条約、永続性(パーマネンシー)の3つの要素といったポイントに触れ、後半では国際人権法やアタッチメント、養子縁組後の生みの家庭とのコンタクト、出自情報の取り扱いなど養子縁組に関する重要課題も取り上げられています。
まずは、関心のある国や興味があるテーマ・キーワードから、読んでみていただくのがおすすめです。日本における養子縁組を考える時に、本書が読者の方の視野を広げ、議論を深める一助となることを心から願っています。
【書籍情報】
『公的ケアからの養子縁組 --欧米9カ国の児童保護システムから子どもの最善の利益を考える』
編 著:タルヤ・ポソ、マリット・スキヴェネス、ジュン・ソバーン
監 訳:西郷 民紗
翻 訳:海野 桂
出 版 社:明石書店
発 売 日:2024/11/28
HITOTOWAの声